泡野瑤子さんの「沈黙せしミランダの献身」、読了。
- Seo Ann
- 2024年12月9日
- 読了時間: 2分
泡野さんの短編は、前作の「リンゴの恋が実るとき」も拝読しましたが、すごく好きだなあと改めて思った。どれも面白くて、一気読みだった。
文体と作風の冒険、と銘打ってある通り、色々なジャンルのお話が詰まっていた。長編小説の方も拝読してますが、ファンタジーだったり、SFだったり、ユーモラスな話だったり、YKM風のお話しだったり(泡野さんのあとがき大好きです)……作風の引き出しが多くて、すごい!
表題作の「沈黙せしミランダの献身」、とてもよかった。「エディ・アース」や「カタリナ」のときも思ったけれど、泡野さんの書く物語が、とても私に刺さる。
Мの歌詞、素敵でした。つらい時期もあったマリアだけれど、アンディとミランダがいたからこそ、書けた歌詞だったのかなと思う。『私の価値』を、アンディが支え、ミランダが沈黙するという合理的判断で未来へと繋いだ。そういう意味では、やっぱりAIであるミランダは過去の累積の産物だけど、マリアにとっては未来だったのでは…と思ってしまったり。
ミランダのレポートを見たふたりは、きっとミランダのことを起こさないのではないかと読者である私は想像する。きっとミランダが願ったように、人間のために歌っていくのだろうな。
あと、個人的には「カミサマはアンドゥを知らない」が、一番印象深かった。
こ、この発想…なかった…!面白すぎる…!
紙様に消しゴムで消されないよう、頑張って生きねば。と、思ったりしながら、ひとりウフフと読後感に浸ったりなどした。
とても面白かったです。次回作も楽しみにしています。
楽しい時間をありがとうございました。
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